東照電気からのお知らせ
2016.06.30
お知らせ
平成28年度の税制改正における設備投資に対する税制優遇措置などをまとめました。
その優遇措置は主として、再生可能エネルギーと生産性向上に関する設備投資に対するものであり、それらの内容と関連する補助金の情報などをご紹介します。また、話題性のある太陽光発電設備については投資のポイントを記載しました。※「中小企業者等」とは次のとおりです。
・資本金または出資金の額が1 億円以下の法人
・資本金または出資金を有しない法人のうち、常時使用する従業員数が1,000 人以下の法人
・常時使用する従業員数が1,000 人以下の個人事業主
・農業協同組合等(中小企業等協同組合、出資組合である商工組合及び商工組合連合会等)
ただし、次の法人は、たとえ資本金が1 億円以下でも中小企業者とはなりません。
①大規模法人(資本金もしくは出資金の額が1 億円超の法人または資本もしくは出資を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000 人超の法人)から2 分の1 以上の出資を受ける子会社
②2 以上の大規模法人から3 分の2 以上の出資を受ける子会社
1.再生可能エネルギーに関する設備投資と税制優遇措置などについて
①グリーン投資減税の改正
グリーン投資減税(環境関連投資促進税制)とは、青色申告書を提出する個人および法人が、太陽光発電設備や風力発電設備などの対象設備を取得し、1 年以内に国内の事業の用に供した場合は優遇措置を受けられる税制で、平成23 年度の税制改正において創設されました。平成28 年度の税制改正では、対象設備と優遇措置は次表のとおり変更され、対象設備の取得期限は2 年延長し平成30 年3 月31 日までとなりました。なお、グリーン投資減税は補助金との併用はできません。
■平成28 年度税制改正における主な変更点
太陽光発電設備従来からの売電型の「認定設備」※1 は対象外とし、従来は対象外であった自家消費型の「認定外設備」(ただし出力10kW 以上)を新たに対象とする。風力発電設備「即時償却」を廃止する。車両運搬具「税額控除」は除外する。※1:再生可能エネルギーの固定買取価格制度に基づく全量売電や余剰売電をしていた発電設備平成28 年度設備投資における税制優遇措置などについて
■平成28 年度グリーン投資減税の対象設備と優遇措置対象設備(概要)
優遇措置・太陽光発電設備(10kW 以上の自家消費型「認定外設備」)・風力発電設備(1 万kW 以上)・中小水力発電設備・地熱発電設備(1000kW 以上)・下水熱利用設備(管内設置型)・木質バイオマス発電設備(2 万kW 未満)・コンバインドサイクル発電ガスタービンなど30%特別償却または7%税額控除(7%の税額控除は中小企業者等が選択できます。)・プラグインハイブリッド自動車・エネルギー回生型ハイブリッド自動車・電気自動車30%特別償却
②再生可能エネルギー発電設備に係る固定資産税の軽減措置この制度は平成24 年度に創設され、再生可能エネルギーの固定価格買取制度の認定を受けた発電設備「認定設備」に対して、固定資産税が課せられることとなった年度から3 年分の固定資産税に限り、課税標準を軽減し固定資産税を減額する特例措置です。平成28 年度税制改正においては、グリーン投資減税と同様に、太陽光発電設備については売電型の「認定設備」を対象外とした上で、自家消費型の「認定外設備」を新たに対象とし、適用期限を2 年延長して平成30 年3 月31 日までとなりました。対象設備(概要) 特例措置・太陽光発電設備(ただし自家消費型の「認定外設備」)・風力発電設備課税標準額の2/3・中小水力発電設備・バイオマス発電設備・地熱発電設備課税標準額の1/2上記表中の特例措置は、各自治体が一定の幅(±1/6)で独自に設定できる「わがまち特例」(平成24 年度税制改正により、地方税の特例措置について、国が一律に定めていた内容を市町村が判断し、条例で決定できる仕組み「地域決定型地方税制特例措置」のこと)を適用します。
③「再生可能エネルギー事業者支援事業費補助金」の創設ここでは再生可能エネルギーに関連した設備導入の補助金をご紹介します。この補助金は、自家消費型の太陽光発電・木質バイオマス発電などの発電システム、木質バイオマスや地中熱などを利用した熱利用設備、蓄電池の導入に対して補助を行い、地域における再生可能エネルギー利用の拡大を加速するため、平成28 年度に創設されました。平成28 年度設備投資における税制優遇措置などについて予算額は約33.5 億円(新規事業分)、補助率は通常は1/3 以内、地方自治体との連携・指定などを受けて行う場合は2/3 以内となっています。公募期間は平成28 年4 月28 日から平成28 年9 月9 日までとなり、締め切り日は4 回設けられています。公募要領など詳細につきましては、SII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)のホームページ※2 をご参照ください。※2 https://sii.or.jp/re_energy28/2.生産性向上に関する設備投資における税制優遇措置とその関連情報について
①生産性向上設備投資促進税制はラストチャンス!生産性向上設備投資促進税制は、業種を問わず、幅広い設備について即時償却(平成28 年3 月31 日まで)や税額控除ができる点で、過去に類を見ない規模の設備投資減税でした。しかし、平成28 年度税制改正により、法人実効税率の引き下げに伴う財源の確保の観点から、適用期限である平成29 年3 月31 日までの事業供用分で廃止されることが明確化されました。平成29 年3 月31 日までに事業供用する設備投資については、生産性向上設備投資促進税制がまだ適用できますので、これから設備投資を予定している場合には、この優遇措置の活用をぜひ検討しましょう。
■生産性向上設備投資促進税制の優遇措置対象設備
平成28 年4 月1 日から平成29 年3 月31 日までの事業供用分平成29 年4 月1 日以後の事業供用分一定の機械装置、工具、器具備品、建物附属設備、ソフトウェア50%特別償却または4%税額控除廃止一定の建物、構築物25%特別償却または2%税額控除②中小企業投資促進税制の上乗せ措置の活用も中小企業者等であれば、生産性向上設備投資を行う際に利用できる中小企業投資促進税制の上乗せ措置について、平成29 年3 月31 日までに事業供用される場合、即時償却の対象となります。対象業種・対象設備は限定されますが、該当する設備投資がある場合にはぜひ検討しましょう。平成28 年度設備投資における税制優遇措置などについて
■中小企業投資促進税制の上乗せ措置の優遇措置
資本金優遇措置3,000 万円超1億円以下即時償却または7%税額控除3,000 万円以下即時償却または10%税額控除③生産性向上設備に係る固定資産税の軽減措置の創設(注:執筆時点で国会審議中)平成28 年度税制改正で「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律の一部を改正する法律【中小企業等経営強化法】」の制定を前提に、その施行日から平成31 年3 月31 日までの間に、中小企業者等が下記の要件を満たす「生産性向上設備(仮称)」の「機械装置」を取得した場合は、固定資産税の課税標準を1/2 に減額する措置が3 年間設けられます。この措置は、ファイナンス・リース取引による導入の場合も適用可能であり、赤字の法人にも効果があると期待され、手続きは、次の図表のように「生産性向上計画(仮称)」を作成し申請を行います。詳細な運用については法律の制定後に明らかになる予定です。「生産性向上設備(仮称)」の「機械装置」の要件(1)新品で1 台または1 基の取得金額が160 万円以上のもの(2)旧モデル比で生産性(単位時間当たりの生産量、精度、エネルギー効率など)が年平均1%以上向上するもの(3)販売開始から10 年以内のものこの要件は、生産性向上設備投資促進税制のA 類型の機械装置と類似した要件ですが、最新モデルである必要はありません。